ロック界きっての理系ギタリスト(ブライアン・メイ編)

専攻は宇宙工学

クイーンのギタリストであるブライアン・メイは、1947年7月19日にイギリスのミドルセックス州ハンプトンで生まれました。
7歳のころからギターを弾き始め、その後エリック・クラプトンやジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックスらの影響を強く受けるようになります。
それと同時に彼は学業の面でも優秀さを見せ、インペリアル大学(現:インペリアル・カレッジ・ロンドン)に入学し、大学院では宇宙工学を研究するようになります。
大学時代には音楽活動も並行させており、68年にはロジャー・テイラー(ドラム)とティム・スタッフェル(ボーカル兼ベース)と共に”スマイル”という名のバンドを結成し、クラブ・シーンで高い人気を誇っていました。

理系の難関大学に進学しながら、ミュージシャンとしても成功する例はもちろん非常にレアなのですが、何故か1947年生まれのミュージシャンには理系の人が多く、ブライアン・メイ以外だと、ボストンのトム・ショルツ(マサチューセッツ工科大学卒)も1947年生まれです。
あと、日本で言えばオフコースの小田和正氏(東北大学工学部建築学科卒)なんかもそうですね。

クイーン結成~デビュー、そしてブレイク

スマイルというバンドは、69年にシングルをリリースするものの商業的な成功には至らずティム・スタッフェルが脱退。
その後任としてフレディ・マーキュリー(ボーカル)が参加します。
71年にはロジャー・テイラー、フレディ・マーキュリー、オーディションでジョン・ディーコン(ベース)を加えて”クイーン”を結成します。
ただ、当初はバンドとしての収入がほとんどなかったため、ブライアンは生計を立てるために中学の講師をしたりしていたようですね。

1973年にファーストアルバム「QUEEN」(邦題:戦慄の王女)をリリースしてメジャーデビュー。

ファーストアルバムは評論家から「時代遅れ」と評されたことなどからあまりセールスは伸びませんでしたが、セカンドアルバムの「QUEEN II」(74年)がスマッシュヒットとなり、浮上のきっかけをつかみます。

続く3rdアルバム「Sheer Heart Attack」(74年)、4thアルバム「A Night at the Opera」(75年)と立て続けにヒットを記録し、一線級のバンドとして世界に認められるようになります。
特に4thアルバムはクイーンの代表作の一つとして有名ですね。

自作のオリジナルギターを使用

ブライアン・メイを語る上で欠かせないのが、彼が使用するオリジナルのハンドメイド・ギター。
16歳の時に自分のギターを製作することを思い立った彼は、父親でエンジニアのハロルドの手を借りながら製作に取り組み、実に約5年の歳月をかけて完成させたとも言われています。
このギターはレッド・スペシャルと名付けられ、オリジナルのボディに使用されているオーク材は、なんと100年以上前の暖炉に使われていたものなんだそうです。

BRIAN MAY GUITARS ( ブライアンメイギターズ ) / Red Special
BRIAN MAY GUITARS ( ブライアンメイギターズ ) / Red Special

ピックアップにはバーンズ製のシングルコイルを自分で巻きなおしたオリジナルのものを使用し、これを3つ直列に接続し、それぞれにオン/オフスイッチとフェイズ(位相)を入れ替えるスイッチを設けることで、非常に幅の広いサウンドメイクが可能となっています。
クイーンの初期の頃には、独自のエフェクトと多重録音の組み合わせによってギターの音とは思えないようなサウンドを実現させており、この時期のアルバムには”No Synthesisers were used on this Album(このアルバムにシンセサイザーは使用されておりません)”というクレジットが入っていた事でも話題になりました。

レッド・スペシャルは、これまでにいくつかのブランドがコピーモデルを販売していて、その一部は公認モデルにもなっていました。
2006年からは自身の名を冠したBRIAN MAY GUITARSを立ち上げ、比較的手頃な値段のものを中心にした同タイプのモデルが販売されています。

アンプはVOX AC30を愛用

また、レッド・スペシャルと共にブライアン・メイの代名詞的存在になっているのがVOXアンプのAC30。

VOX ( ヴォックス ) / AC30C2
VOX ( ヴォックス ) / AC30C2

普通、彼ほどにキャリアの長いギタリストは使用アンプを変えたりするものなのですが、彼はずっとAC30一筋。
彼のサウンドは、レッド・スペシャルにトレブル・ブースターとフルアップにしたVOX/AC30によって生み出されているのです。

BSM ( ビーエスエム ) / RM Velvet
BSM ( ビーエスエム ) / RM Velvet

硬貨でピッキング

ブライアン・メイの特徴はまだ他にもあります。
彼は、演奏時に通常のピックを使わず、イギリスの古い6ペンス硬貨を使用しているのです。(1990年代後半からはオーストラリア・5セントコイン)
普通のギタリストの感覚からすれば信じられないような話ですが、彼によると硬くて小さな硬貨を使用することでピッキングニュアンスが出しやすくなるのだそうです。
このように一風変わったスタイルを持つブライアン・メイですが、やはりギタリストとしての評価は非常に高く、彼に憧れてレッド・スペシャルに6ペンス硬貨&AC30を使う人も沢山います。
最近で言えば、chayちゃんなんかもシングル「それでしあわせ」でやってましたね。(レッド・スペシャルって女性が持つととてもイイ感じに見える!(笑))

博士号を取得

フレディの死後はソロ活動に加えてクイーン名義での活動も行っており、長くブライアン・メイの名がロックシーンに刻まれ続けていました。
2007年からは中断していた天体物理学の研究を再開し、母校インペリアル・カレッジでの審査を通過して博士号を授与されています。
しかし、2016年10月に闘病生活に入ることを理由に活動休止を発表。(病名はこの記事を書いている時点では公表されていません。)
ロックの歴史に残る名ギタリストの、一日も早い回復を願うばかりです・・・。

2017年3月9日追記:先日の3月4日に、ミュージカル女優としても知られる英国の女性シンガー、ケリー・エリスとのコラボレーション・アルバム『Golden Days』をリリース(リリース日:2017年4月7日)することが発表されました。
どうやら体調は回復に向かっているようで、一安心ですね。

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