ヴァンザント(Van Zandt)は、W.L.Van Zandt氏によって1980年代後半に創立された、アメリカのピックアップメーカーです。
ギターブランドにもヴァンザントというブランドがありますが、これは日本のトーラスコーポレーションがヴァンザントと提携して立ち上げたブランドで、実際のギター生産はバッカスやモモセで有名なディバイザーにパーツの製造を発注し、コンポーネントギターブランドであるムーンギターズの製造を担当しているPGMという工房で組み立てを行っています。
ヴァンザントのギターは、品質が高いと言われる日本製のギターの中でも、特に丁寧に作られていることで定評があります。
完全ハンドメイド
さて、本家であるピックアップメーカーのヴァンザントですが、徹底して手作業で生産することにこだわりを持っており、全てのピックアップが手巻きによる完全ハンドメイド品であることが最大の特徴です。
そのピックアップが奏でるサウンドは、ヴィンテージ以上にヴィンテージと呼ばれていて、枯れた音を出しつつも、枯れきってはいないという、独特のキャラクターで人気があります。
愛用するプロのミュージシャンも多く、有名どころではエリック・ジョンソンやスティーヴィー・レイ・ボーンなど、伝説的ギタリスト達も名を連ねていて、この名前を見ただけでもヴァンザントのサウンドが素晴らしいことが分かりますね。
ヴァンザントの主なラインナップ
以下、ヴァンザントの代表的なピックアップを挙げてみますね。
1.TRUE VINTAGE
VANZANDT ( ヴァンザント ) / TRUE VINTAGE
50年代のストラトサウンドを再現したシングルコイル。
創業者のヴァンザント氏も気に入っていたピックアップです。
アッシュ・ボディとのマッチングが良く、高音域の耳の痛さを抑えつつも抜けの良いサウンドを実現しています。
2.VINTAGE PLUS
VANZANDT ( ヴァンザント ) / VINTAGE PLUS
62年製ストラトと同じパーツ、構造を再現したモデル。
ヴィンテージ系サウンドですが音のバランスが非常に良いと定評があり、オールラウンドに使う事が出来るピックアップです。
ボディ材に左右されることなく輪郭がハッキリと出て、ミッドの倍音が心地良く響きます。
3.ROCK
ハイゲイン系のシングルコイルです。
VINTAGE PLUSをベースにターン数を増やし、ヴィンテージ・テイストはそのままに出力をアップ。
そのため、歪ませると非常に気持ちがイイ。
音質特性はフラットと言われており、音作りには工夫が必要ですが、その分ハマった時には極上のサウンドを奏でてくれます。
エリック・ジョンソンもこのピックアップに魅了されたそうですよ。
4.BLUES
その名の通りにブルース向けのピックアップです。
VINTAGE PLUSをベースにミッドレンジをパワーアップさせています。
シングルでありながら太いサウンドを出すことができるので、ブルージーなプレイに最適です。
ゲインに関しては、VINTAGE PLUSとROCKの中間くらいの位置付けとなっていて、クリーン~クランチくらいで最も実力を発揮するPUです。
5.TRU BUCKER 4C
VANZANDT ( ヴァンザント ) / TRU BUCKER 4C
シングルコイルのイメージが強いヴァンザントですが、ハムバッカーにもちゃんと良いPUがあります。
伝説のPAFを目指しつつ、ヴァンザント独自の味付けもなされたPUで、ヴィンテージでありながらモダンでもあるという、非常に使いやすいサウンドに仕上がっています。
アルニコ5使用ですが、パワーは控え目となっていて、オールラウンダーさが際立っていますね。
4Cは四芯タイプで、コイルタップにも対応しています。
他にもテレキャスター用、ムスタング用、P-90タイプやジャズベース用、プレシジョンベース用などもラインナップされており、その全てがこだわりのハンドメイド品。
次にピックアップを交換するときは、ヴァンザントも候補に入れておきたいですね!