ピックガードはエレキギターのルックス面における重要なパーツです。
いま、ルックス面と書きましたが、じゃあサウンド面には関係のないパーツなのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
ピックガードにもそれなりに重量がありますし、弾いたときに振動もしますので、ギターの音に全く関係がないという訳ではありません。
というより関係はします。
ピックガードは無い方が良い?
まず、ピックガードの有無に関して言えば、原則的には無い方が音には良いと言われています。
これは、基本的にギターは木でできており、そこに異なる材質のピックガードを取り付けると、木の本来の響きとは変わってしまうという考えによるものです。
ピックガードが無いタイプのギターには、音に悪影響を及ぼす要素を可能な限り排除するという思想で設計されたものもありますね。
とはいえ、ネックプレートのようにパーツとパーツの接合部に使用されるものではないので、レス・ポールなどのように小さなタイプのピックガードですと、特別重いものを取り付けたりするのでなければ、それほど大きな影響はないと考えられています。
ですから、レス・ポール系のギターにピックガードを付けるかどうかは、ピッキングによってボディに傷が付くのを許容できるかどうかと、ルックス的な好みで判断しても良いかと思います。
MONTREUX ( モントルー ) / 2009 HIST LP Pickguard Plain [1325]
フェンダーはピックガード必須
次に、フェンダー系のギターの場合は当然ピックガードは必須。
フェンダーはピックアップを含めた電装系をピックガードに取り付ける方式を採用していますので、ピックガードが無ければギター自体が成り立ちません。
さっき、ピックガードは音に悪影響を及ぼすと書きましたが、それは純粋な木の鳴りとは変わるという意味です。
ですので、フェンダーのように大きなピックガードが付いている=音が悪いという意味ではありません。
確かに純粋な木材の鳴りと比較すると音は変わりますが、それはそれでフェンダーの音ということですので、ピックガードの有無や大きさで音の良し悪しが決まるものではないのです。
ということで、ここからはフェンダータイプのギターのピックガードについて少し書いてみたいと思います。
ピックガードにも色々ある
まず、ピックガードの材質ですが、最も多いのは硬質塩ビ樹脂です。
昔はセルロイドが多く使われていましたが、経年劣化が大きいという理由で今ではあまり使われていませんね。
塩ビのような合成樹脂は、着色が比較的自由にできますし、カットして形を変えることも出来るので、デザイン面の自由度が大きいというメリットがあります。
また、塩ビ製のピックガードの場合、一枚の板でできている単層タイプや、複数の層を重ねた積層タイプのものにわかれ、層の数をplyという単位を使って表現しています。
積層タイプは3plyが主流で、白-黒-白というように層ごとに色を変えることで断面に縞模様が出来るため、ルックス面で単層のものより見栄えがします。
ですから、現行モデルの多くは3plyのピックガードが使われています。
FENDER ( フェンダー ) / 099-2140-000
これに対し、ビンテージタイプのギターですと、昔のギターは単層のものが使われていたので、それを再現するために1plyのものが使われたりしますね。
さらに、アノダイズド・ピックガードと呼ばれる、アルミ板の表面にアノダイズ処理という耐摩耗性や耐食性を高める加工を施したピックガードもあります。
ALLPARTS JAPAN ( オールパーツジャパン ) / No.1 P/G ST57 Anodized GD
これはアルミ製なので、ノイズ低減効果が非常に大きく、金属の鳴りも音に加わるという効果があるので、交換用ピックガードの素材として人気が高いですね。
他にも、アクリル樹脂は木の振動をあまり阻害しないと言われており、加工のしやすさも相まって、重宝されています。
ピックガード交換時の注意点
ピックガードの交換するときに気を付けたいのは、ネジ穴の位置と数。
例えばフェンダーのストラトキャスターの場合、初期モデルは8点止めで、1960年頃は11点止め(現行とはセンターピックアップの上のビス位置が異なる)、65年以降は現行と同じ11点止めになっています。
また、メーカーが異なると細部の仕様も異なりますので、まずは交換しようとするピックガードの仕様をきちんと把握しておくことが大事になってきますね。
ピックガードの色を変えるだけでもギターの雰囲気がガラッと変わり、なんだか新しいギターになったような気分になります。
ルックス面のカスタマイズとして、まずはピックガードの交換がオススメですね!