エレキギターメーカー(ブランド)のよもやま話(リッケンバッカー編:その1)

実はアメリカのメーカー

リッケンバッカーというブランドは、すごくイギリスのイメージが強いですが、実はアメリカのギターメーカーです。
1931年、リゾネーター・ギターメーカーのナショナル・ストリング・インストゥルメント・コーポレーション(現:ナショナル・ギター社)の創始者の一人であったジョージ・ビーチャムと、ナショナル社に金属製ボディを納入する会社を経営していたアドルフ・リッケンバッカーらによって、電気楽器やアンプを製造を目的とするロー・パット・イン・コーポレーションという会社が設立されたのが、リッケンバッカー社の始まりです。
設立の翌1932年には、一般に発売されたものとしては世界初のエレキギターとなる「フライング・パン」を発表。
このフライング・パンは、膝の上に置いて弾くラップスティールギターでした。

従兄は米軍エースパイロット

創業者のアドルフ氏の従兄にはエディー・リッケンバッカーという人がいて、彼は第一次大戦時のアメリカ軍のエースパイロットとして高い知名度がありました。
エディー氏は、26機撃墜という記録を持っていて、これは当時のアメリカ軍No.1の数字だったとの事。
アドルフ氏はこの知名度を利用して自社のギターを売ろうと考え、ブランド名に「Rickenbacher」を使用します。
ちなみに、ドイツ系アメリカ人であったアドルフ氏の本来の姓は「Riggenbacher(リッゲンバッハー)」で、彼が4歳の時に英語風の「Rickenbacher(リッケンバッカー)」と改姓しています。
このため初期のリッケンバッカー・ブランドは、綴りが今とは違って「Rickenbacher」となっています。
さらに、エディー氏の姓がよりアメリカ風の「Rickenbacker」であったこと(こういう風に改姓するのは、当時の反ドイツ機運の高まりによるものだったようです。)などから、1930年代にはアドルフ氏も「Rickenbacker」に改姓。
これに伴いブランド名も「Rickenbacker」に改めています。

エレキギターの覇権争いに出遅れる

1933年になると、社名をエレクトロ・ストリング・インストゥルメント・コーポレーションに変更し、フライング・パンの売れ行きもそれなりに堅調だったのですが、1939年に第二次世界大戦が勃発したことにより、ギターの生産を中止せざるを得なくなります。
1941年には、創業者の一人であるジョージ・ビーチャム氏が心筋梗塞により亡くなるなど、この頃は苦難の時代だったようですね。
1946年になってようやく楽器の製造を再開しますが、アドルフ氏はギター・メーカーの将来にそれほど明るいものを感じていなかったようで、1953年には会社を売却していまします。
この時売却した相手が、当時フェンダーの販売代理店を経営していたF・C・ホールという人で、彼の持つ販売ネットワークによって、リッケンバッカーの製品は全米に広まり、知名度が上昇。
ただ既にテレキャスターやレス・ポールが発売されていた時代でしたから、ラップスティールギターを主軸としていたリッケンバッカーは、エレキギターの覇権争いに出遅れてしまう事になります。
1950年代中盤に、後に伝説的ビルダーとなるロジャー・ロスマイズル氏が入社し、彼によって現在のリッケンバッカーギターの基となるエレクトリック・スパニッシュ・ギター(普通に横に構えるエレキギター)が生み出されていきました。
そして、ついに1960年代に入って、リッケンバッカーの黄金期が訪れます。

51ABgXD3klL

Rickenbacker / Model 330 Fire Glo

ビートルズによって大ブレイク

フェンダーやギブソンの二強時代に、リッケンバッカーが割り込んでくるのです。
そう、あのザ・ビートルズによって。
ジョン・レノンがモデル325、ジョージ・ハリスンがモデル360/12(12弦ギター)とモデル425(6弦ギター)、ポール・マッカートニーがモデル4001S(ベース)を使用し、爆発的な人気を獲得。
リッケンバッカーのギターは、フェンダーやギブソンを凌ぐほどの売れ行きとなります。
今でもリッケンバッカーと言えば、ビートルズのイメージが強烈で、イギリスのメーカーと勘違いされがちなのは、このイメージのせいなんですね。

課題は品質の安定性

ただ、その後はフェンダーとギブソンに大きく水を開けられることになります。
独特のルックスには一定の支持があるものの、フェンダーとギブソンが大量生産方式にいち早く対応したのに対し、リッケンバッカーは今でも手作りにこだわって作らていて、品質の安定面ではイマイチなところがあるんですね。
特にネックに関しては、細いネックの反り対策のためにトラスロッドが二本仕込んであり、調整するのに非常に繊細な技術が必要で、プロの熟練したリペアマンでないと難しいと言われています。
他社よりも当たり外れが大きかったことが、伸び悩んだ原因の一つかも知れませんね。
また、他の有力ギターブランドのような廉価グレードがなく基本的に新品はどれも20万円以上する、と言うことも普及率に影響しているかもしれません。
当たり外れはあるのですが、当たりを引くと最高のギターだと言われているんですけどね~。

リッケンバッカーの特徴

リッケンバッカー製ギターの特徴としては、二重になっている独特の形状のピックガードや、ハイゲインと呼ばれる自社製ピックアップ、ステレオ出力可能なリック-O-サウンド、フロントピックアップの出力を調整できるFifthコントロールなどが挙げられます。
サウンド的にはマホガニーボディとハイゲイン・ピックアップの組み合わせによる、中高音が強く出た音質になります。
サステインの伸びはあまりない方なので、カッティング向きとも言われていますね。

世界初の12弦ギターでも有名

リッケンバッカーは通常の6弦ギター以外にも、12弦ギターメーカーとしても知られています。
実は世界で初めて12弦ギターを発売したのもリッケンバッカーなのですが、リッケンバッカーの12弦は他のメーカーとは弦の張り方が異なっていて、主弦が上、オクターブ弦が下になっています。
このため独特の音色になり、他とは一線を画す12弦ギターとして今でも人気があります。
ビートルズのアルバム「ハード・デイズ・ナイト」(A Hard Day’s Night 旧邦題「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」)には、リッケンバッカーの12弦ギターが使われている曲が多く、ビートルズを象徴するサウンドとも言えます。

リッケンバッカーのギターは、その独特のルックスで個性を出せるギターです。
サステインの伸びがあまりないのでリードギター向きではないのですが、ネックが薄く細いので弾きやすく、リズムギターとしてはとても良いギターです。
もちろん、ボーカルギターにも向いていますね!

リッケンバッカーのギターを・・・

>>アマゾンで探す

>>楽天で探す

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする