今回も、(その2)に引き続いてグレッチの代表モデルをご紹介していきます。
グレッチの代表的モデル(2)
・G6119 “Tennessee Rose”
Gretsch グレッチ エレキギター G6119 Tennessee Rose
1959年に6120の廉価版として発売されました。
6120などと同様に、チェット・アトキンスのシグネチャーモデル。
元々は、「テネシアン(Tennessean)」という名称が付けられていましたが、1979年にアトキンス氏との契約が切れたため、テネシーローズと改名。
2007年にはアトキンス氏の遺族との話し合いで契約が復活し、従来のモデル名を使用できるようになりましたが、テネシーローズは名前がまだ戻されていません。
生産された時期によって仕様がかなり異なるのですが、現行仕様は2タイプあり、いわゆる現行型とチェット・アトキンスモデルに分かれています。
大まかに言うと、現行型はフィルタートロンピックアップにFホールの穴は実際に開いているタイプで、チェット・アトキンスモデルはハイロートロンピックアップ(フィルタートロン(ハムバッカー)の片方のポールピースを取り去った形のシングルピックアップ)にFホールはイミテーションとなっています。
6120やホワイトファルコンは華美なルックスですが、この6119は落ち着いたトーンの色使いで、これはこれでとてもお洒落なギターです。
ジョージ・ハリスンが映画「ヘルプ!」内で使用していた事で知られ、日本国内ではブランキー・ジェット・シティのベンジーこと浅井健一氏の使用が有名です。
・G6128 “Duo Jet”
GRETSCH ( グレッチ ) / G6128T DUO JET W/BIGSBY
デュオジェットは、1953年に発売されたレス・ポールライクなルックスを持つモデルです。
元々は”ソリッドボディ”のギターとして販売されていましたが、実際にはセミホロウ構造であるため、最近になってソリッドの表示は取りやめています。
このシリーズもルックス的に美しいギターが揃っていますね。
代表的な使用アーティストはジョージ・ハリスン。
・G6134 “White Penguin”
GRETSCH ( グレッチ ) / G6134 WHITE PENGIN
ホワイトファルコンの弟分的な存在であるホワイトペンギン。
いえ、グレッチのギターは女性に例えるべきでしょうから、妹分と言った方が良いかも知れませんね。
ホワイトファルコンとデュオジェットの良いとこどりのようなルックスで、人気の高いモデルです。
まあ値段も高いですけどね(笑)
形状はギブソンのレス・ポールに近いですが、ピックアップにダイナソニック・ピックアップというシングルコイルが採用されており、どちらかと言えばギブソンよりフェンダーに近いサウンド特性になっています。
・G6138 “Bo Diddley”
※写真はエレクトロマチック・コレクションのものです。(型番:G5810)
GRETSCH ( グレッチ ) / G5810 Bo Diddley
見た目のインパクトは最大級。
華麗なルックスのギターが多いグレッチのラインナップにあって、一際異彩を放っています。
ボ・ディドリー氏のシグネチャーモデルですが、見ただけでハイフレットが異常に弾きくいことがわかりますよね。
どうせなら、ヘッドも長方形にすれば良かったのにと思うのは、私だけではないはず。
弾きこなすには相応の経験が必要
グレッチのギターは、初心者の方にはあまりオススメできないギターです。
エフェクターの乗りが良くないモデルが多いし、アンプも相性のいいものを選ばないといけません。
ハイフレットは弾きにくいし、トレモロアーム付きのモデルはチューニングが狂いやすいとも言われます。
さらに、ブリッジが固定されていないモデルだと、オクターブチューニングを合わせるのも一苦労です。
ルックス的には素晴らしいのですが、それゆえに腕前が下手だと超恥ずかしいとも言える。
でも、これらの欠点こそが、同時にグレッチの魅力でもあります。
弾きこなすのが難しいギターですが、そこを乗り越えると、これほどカッコいいギターは他にはありませんよ!