エレキギターメーカー(ブランド)のよもやま話(グレッチ編:その1)

創業は19世紀

今回は、エレキギターブランドの老舗として名高いグレッチのお話です。
グレッチは、ドイツ系移民であるフレデリック・グレッチ氏が1883年にニューヨークで創業した楽器ブランドです。
当初はバンジョー、マンドリン、タンバリンをなどを製作していましたが、1895年に当時まだ15歳だった息子のフレッド氏を残し他界。
会社を引き継いだフレッド氏は、1916年にはブルックリンのメインストリートに10階建てのビルを建てるまでに業績を伸ばし、ギターの製造にも乗り出します。
1942年に二人の息子たち(ウィリアム氏とフレッドJr氏)の代になっても経営は順調で、会社は成長を続けます。
なお、当初は兄弟で経営に携わっていましたが、その後フレッドJr氏がグレッチ社から離れて軍に入隊し、指揮官として名声を馳せます。
しかし、その間社長を務めていたウィリアム氏が1948年に亡くなってしまい、再びフレッドJr氏はグレッチ社に戻っています。

そしてフレッドJr氏率いるグレッチは、1950年代になって発売した「6120」および「6136」を大ヒットさせ、フェンダーやギブソンとも肩を並べるようなギターメーカーとなります。
この時代には、カントリー・ミュージシャンとして有名なチェット・アトキンスがグレッチのギターを愛用していて、それがグレッチの知名度を一気に上げることになったようですね。
なお、6136はホワイトファルコンというモデル名を持ち、現在でも世界一美しいギターと言われていて、とても人気があります。

GRETSCH ( グレッチ ) / G6136T WHITE FALCON W/BIGSBY

GRETSCH ( グレッチ ) / G6136T WHITE FALCON W/BIGSBY

苦難の時代

1960年代には、ビートルズのジョージ・ハリスンが、グレッチのカントリー・ジェントルマンを愛用したことでも人気となります。
ただし、グレッチの勢いもここまででした。
音楽シーンはは徐々にハードロック色を強めていき、段々とギターの音を歪ませる傾向が出てくるようになるのですが、これには、ホロウボディのギターよりもソリッドボディのエレキギターの方がマッチしたのです。
しかし、グレッチはソリッドボディのギターを製造していなかった(ソリッドボディを謳ったギターは販売していましたが、実際にはセミホロウ構造でした。)ため、波に乗れずに徐々に時代の流れから取り残されてしまいます。
加えてフレッドJr氏の引退によって、1967年に会社はボールドウィン・ピアノに売却。
ボールドウィン社は、グレッチに大幅なコストカットを要求し、これが原因で品質が低下してしまい、ユーザーの信頼を失なってしまう結果に。
1965年のCBSによるフェンダー買収といい、1969年のノーリンによるギブソン買収といい、60年代後半というのはアメリカのエレキギターメーカーにとって、まさに受難の時代ですねぇ。
さらにグレッチの場合は、追い打ちをかけるように1973年に2度も火災に遭ってしまいます。
泣きっ面に蜂とはこの事です。
すっかり売り上げが低迷してしまったグレッチは、ついに1980年に全てのギター生産を中止してしまうまでに追い込まれます。

日本の工場で製造再開

この状況を見るに見かねた創業者のひ孫であるフレッド・グレッチ三世が、1985年に会社を買い戻して再興を目指しますが、既にボールドウィン社がギター製造用の金型や設備を売却してしまっていたために難航。
ようやく1989年に日本の製造メーカー(寺田楽器)と契約し、新たにリイシュー・モデルを中心としたラインナップで製造再開にこぎつけます。
その後は比較的堅調な経営を続け、1999年にはトレモロユニットで有名なビグスビー社を買収。
2003年からはフェンダーの傘下となり、一部の高級モデルは日本のフジゲンやフェンダーのカスタムショップ(グレッチ専任のマスタビルダーによる製造)でも生産されるようになります。
また、グレッチはドラムのブランドとしても有名ですが、ドラム部門は2015年にフェンダーからドラムブランドのdw(ドラム・ワークショップ)に、アメリカ国内の販売権が売却されています。
日本国内に関しては、神田商会がギター、ドラム共に販売代理店を務めています。
なお、現在でもグレッチ社の代表は、フレッド・グレッチ氏が務めています。

幅広いグレード構成

現行のグレッチのラインナップは、カスタムショップ(USA製)を最高級グレードとして、日本製のプロフェッショナル・コレクション(Professional Collection)、韓国・中国で生産行う廉価グレードのエレクトロマチック・コレクション(Electromatic Collection)に加え、2016年からはさらに廉価グレードのストリームライナー・コレクション(Streamliner Collection)を主な柱としています。
値段的にはカスタムショップ製は非常に高価で、100万円以上のものも珍しくはありません。
プロフェッショナル・コレクションも、日本製とは言え結構な値段で、安くても20万円以上はするものと思われます。
これに対し、エレクトロマチック・コレクションはリーズナブルで、5万円から15万円くらい。
ストリームライナー・コレクションは、恐らくそれよりも安いはずですが、この記事を書いている時点では正規輸入品はまだ出回っていないようです。

グレッチのギターは、基本的にホロウボディ(完全ソリッドはごく一部のモデルのみです。)ですので、歪ませるとハウリングしやすく、エフェクターを多用する演奏スタイルにはあまり向きません。
クリーンからクランチ程度までの守備範囲に限定されるのですが、そういうわがままっぷりがグレッチらしさでもあり、魅力でもあるんですよね~。

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次回は、グレッチの代表的なモデルをご紹介したいと思います!

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