フェンダーのAmerican Professionalシリーズは、American Standardシリーズのあとを受け継ぎ、2016年末に登場した新シリーズです。
従来のAmerican Standardシリーズは、フェンダーがCBS時代から脱却して間もない1988年にスタートしており、一時期アメリカン・シリーズと改称するも30年近くに渡ってフェンダーの中心的なモデルとして愛されてきました。
フェンダー社は、2016年の初めにも従来のAmerican DeluxeシリーズをAmerican Eliteシリーズにリニューアルしていますので、約1年の間に同社の看板グレードの商品を一新したということになりますね。
FENDER ( フェンダー ) / American Professional Stratocaster 3-Color Sunburst
幅広いラインナップ&モダンな仕様
ラインナップは、ストラトキャスター、テレキャスター、テレキャスター・デラックス、ジャズマスター、ジャガー、プレシジョンベース、ジャズベースで、まずベースを除いたエレキギターの共通的な仕様を書きますと、
・新デザインのモダンDeep Cネック
ネックの形状はアメスタのモダンCシェイプから、やや厚みを持たせたモダンDeep Cシェイプに変更されています。
これにより、コード演奏もソロ演奏にも自然なプレイアビリティを実現しています。
・ナロートール・フレット
アメスタはミディアムジャンボ・フレットでしたが、アメプロではやや細身で背の高いナロートール・フレットが採用されています。
一般的にヴィンテージ系のギターは細く低いフレットが使われていますので、このナロートール・フレットは、ヴィンテージとモダンの中間的なスペックを持つという事になります。
具体的には、フレットが高いことでハンマリング/プリングがやりやすく、尚且つ細身なのでサステインが伸びるというメリットがあります。
反面、スライド/グリッサンドには少し違和感が出るかも知れませんね。
・新開発のV-Modピックアップ、再デザインされたShawbuckerハムバッカー
アメスタのピックアップは、カスタムショップ製のものが使われていましたが、アメプロでは新たに設計されたV-ModというシングルコイルPUが採用されています。
もちろん、機種ごとに専用のV-Modピックアップが搭載されているのですが、各ポジションごとに最適にヴォイシングされ、高出力化が図られています。
ハムバッカー搭載モデルには、ギブソンのTim Shaw P.A.F.で知られるティム・ショウ氏デザインによるShawbuckerハムバッカーが搭載されています。
・トレブルブリードサーキット
ボリュームを絞った時に発生する高音域の音やせを防ぐ回路構成が採用されています。
・牛骨ナット
ナットが合成樹脂製から牛骨に変更されています。
・Elite成型ハードケース
ボディーに沿ったコンター加工が施された、新タイプのハードケースが付属します。
という風になっています。
FENDER ( フェンダー ) / American Pro Telecaster Sonic Gray
そして、ここからは機種ごとの特徴を書いていきますね。
機種別の特徴
・ストラトキャスター
2点スタッド式ブリッジというのはアメスタと同様ですが、トレモロアームがねじ込み式から差し込むだけのポップイン式に変更されています。
2ハム仕様のHHタイプや、リアをハムバッカーにしたHSSタイプもラインナップされています。
・テレキャスター
最も大きな変更点はサドルで、6WAYからヴィンテージライクな3WAYのピッチ補正ブラス製バレルサドルに変更されています。
また、ブリッジプレートも、アッシュトレイ型が採用されています。
・テレキャスター・デラックス
アメスタではラインナップに無かった2ハム仕様のテレキャスター・デラックスが加えられています。
元々は1972年に発売されたモデルで、2ボリューム2トーン、トグルスイッチタイプのPUセレクターなど、レス・ポールを非常に意識した仕様となっています。
・ジャズマスター/ジャガー
こちらもアメスタには無かったモデル。
ジャズマス&ジャガーの欠点であったブリッジの弦落ち対策として、ムスタングタイプのブリッジが採用されています。
抜けやすかったトレモロアームも、ネジ込み式に改良されています。
何気にジャズマスターが22フレット仕様(通常は21フレット)になっているのがウレシイところですね。
旧アメスタより低価格
American Professionalシリーズの価格は、税込で20万円強くらいだったAmerican Standardシリーズよりも若干安く設定されていて、税込20万円弱くらいとなっています。
少しですが、手に入りやすくなったのは嬉しい事ですね。
フェンダーの新しい看板シリーズ、これからも注目ですよ!