今回は、American Vintageシリーズの続きで、テレキャスター、ジャガー、ジャズマスターの仕様について書いていきます。
American Vintageシリーズのラインナップ(2)
4.American Vintage ’52 Telecaster
FENDER ( フェンダー ) / American Vintage ’52 Telecaster Butterscotch Blonde
テレキャスターが発売されたのは1950年のこと(当時は”ブロードキャスター”という名前でした)ですので、この52年モデルは、ほぼテレキャスターの最初期モデルと言えますね。
カラーはバタースコッチブロンドのみ、ブラス製のブリッジサドル、ブラックピックガードの取付ネジにマイナスを使用するなど、当時の仕様を徹底的に再現しています。
ネック形状も、厚みのある”U”シェイプを採用していて、これも50年代前半当時の仕様。
テレキャスターというと高音域が目立つサウンドキャラクターですが、52年モデルは歴代テレキャスターの中でもファットなトーンを持つことで知られています。
5.American Vintage ’58 Telecaster
FENDER ( フェンダー ) / American Vintage ’58 Telecaster 2-Color Sunburst
58年モデルのテレキャスターは、50年代前半のモデルよりやや薄めの”D”シェイプネックが採用されています。
下の64年モデルになるとさらに薄めのネックに変わっていくのですが、この時期の独特なグリップ感が良いという人も結構多いんですよね。
実は、実際の58年モデルは前半と後半で仕様が異なり、前半モデルは弦をボディ裏から通すようになっているのですが、後半モデルはトップローディングと呼ばれる裏からは通さない仕様に変更されています。
ただ、トップローディング仕様はあまり評判が良くなかったようで、1年ほどで元の裏通しに戻されています。
このAmerican Vintageでは、前半タイプの裏通し仕様が採用されていますね。
テレキャスターの進化の過程を見事に再現したモデルです。
6.American Vintage ’64 Telecaster
FENDER ( フェンダー ) / American Vintage ’64 Telecaster Candy Apple Red
上の2モデルはボディにアッシュ材が使われていたのに対し、この64年モデルではアルダーが使用されているのが最も大きな違いですね。(ただし、ホワイトブロンドカラーはアッシュが使用されています。)
また、1ピースメイプルで構成されていたネック&指板も、メイプルネック+ローズウッド指板(ラウンド貼り)に変更されています。
ネック形状は58年モデルよりもさらに薄めの”C”シェイプネック。
ピックガードは1plyから3plyに変わり、ブリッジサドルもネジを切ったようなスパイラルサドルが採用されています。
このような仕様変更は概ね59年モデルで行われたものですが、当初は指板がスラブ貼り(指板とネックの接着面がフラット)だったものが、63年頃にラウンド貼りに変わっていることと、66年モデル以降からはCBS時代に入ることを考えると、64年モデルを再現するというのは、かなり粋なチョイスと言えるでしょうね。
7.American Vintage ’65 Jaguar
FENDER ( フェンダー ) / American Vintage ’65 Jaguar 3-Color Sunburst
ジャガーは、1962年に発売されたギターですので、この65年モデルはほぼ最初期モデルとなります。
クルーソン・ペグ、”C”シェイプネック、ラウンド貼りのローズウッド指板など、当時の仕様を忠実に再現。
もちろん、ネックのバインディングやトランジションロゴなど、ルックス面でも徹底してこだわっています。
ストラトやテレキャスターに比べると、どうしても人気という点では今一歩なのですが、それだけに持ってると目立つ一本ですね。
8.American Vintage ’65 Jazzmaster
FENDER ( フェンダー ) / American Vintage ’65 Jazzmaster Olympic White
65年のモデルのジャズマスターは、クルーソン・ペグ、”C”シェイプネック、ラウンド貼りのローズウッド指板、バインディングにトランジションロゴなど、時代的な特徴面は上に挙げたジャガーとほぼ同様となっています。
“ウィッチ・ハット”と呼ばれるホワイトのコントロールノブが印象的で、とてもオシャレなギター。
以上が、現行のAmerican Vintageシリーズとなります。
昔は車で”いつかはクラウン”とか言ったものですが、エレキギターはやっぱり”いつかはアメリカン・ヴィンテージ”ですね!