エレキギターメーカー(ブランド)のよもやま話(フェンダー編:その1)

世界中のギタリストに最も有名なエレキギターメーカーはどこかと聞いたとすると、ほぼ全員がフェンダーかギブソンの名前を挙げるでしょう。
むしろこの二社以外の名前を挙げる人がいたら、その人がひねくれていると言ってもいいほどです。
それくらいにエレキギターでは圧倒的なシェアを誇る二社。
今回は、その片翼を担うフェンダーについてのお話です。

創業は1946年

フェンダー社は、1938年にレオ・フェンダー氏が「フェンダー・ラジオ・サービス」というラジオ受信機や音響機器の修理を行う会社を立ち上げたのがその源流となります。
その後1945年にドク・カウフマン氏と「K&Fマニュファクチュアリング」という会社を共同設立し、スティールギターやアンプの製造を開始。
翌46年にはカウフマン氏との関係を解消し、「フェンダー・エレクトリック・インストゥルメント・カンパニー」と社名を変更します。
フェンダー社自身はこの社名変更を行った1946年を創業年としているようで、現在の正式社名は「フェンダー・ミュージカル・インストゥルメンツ・コーポレーション」となっています。

FENDER ( フェンダー ) / American Special Stratocaster HSS 3Color Sunburst
FENDER ( フェンダー ) / American Special Stratocaster HSS 3Color Sunburst

世界初の量産型エレキギターを発売

当時既にエレキギター自体は発明されていましたが、その時代のギターメーカーが製造していたのは、ボディ内部が空洞になっているホロウ・ボディ構造のものが主流であり、ボディが中空でないソリッド・ボディのギターは、まだ量産化されていませんでした。
そこに目を付けたフェンダーは、1948年の試作品を経て1949年にエスクワイヤーというテレキャスターの原型となるギターを発表します。
翌年にはピックアップを二基搭載したブロードキャスターを発売し、さらに翌51年にはそのギターをテレキャスターに改名して、量産型エレキギターを商業ベースに乗せることに成功します。
なお、テレキャスターと改名したのは、当時グレッチが発売していたスネアドラムとほぼ同名(綴り違いで読みは同じのブロードキャスター)であったことがその理由です。

ベースでも超定番品を開発

また、同じ1951年にはプレシジョン・ベースも発売。
それまで低音を担当する弦楽器といえば事実上コントラバスのみだったのですが、フェンダーが発売したエレキベースは、指板にフレットが打ち付けてあることで、フレットが無いコントラバスよりも簡単に正確な音程で演奏できるようにしたのです。
これもまた大ヒット商品となり、フェンダーはエレキギターメーカーとして確固たる地位を築いていきます。
ちなみに、現在のプレシジョン・ベースは、ストラトキャスターに似た外観になっていますが、発売当初のものはテレキャスターのベース版とも言えるものであり、外観も今よりテレキャスターに近いものでした。
そして1954年にはストラトキャスター、1958年にジャズマスター 、1960年にはジャズベース、1962年に当時の最高級機種であるジャガーを発表するなど、現在でも人気の高い名器を生み出し続けていきます。

暗転のCBS時代

こうして、エレキギターメーカーの大手企業に成長したフェンダーですが、1965年に大きな転機を迎えることになります。
創業者であるレオ・フェンダー氏が体調不良を訴えた事が理由で、会社の経営から身を引き、放送局大手であるCBS社に買収されることになったのです。
これがいけなかった。
なにがいけないって、CBS社はフェンダーに対して、質より量的な拡大路線を命じたのです。
これによりフェンダーの製品は品質が低下してしまい、ユーザーから厳しい非難を浴びることになります。
さらに加えて楽器市場全体の低迷や、コピーモデルの氾濫によってシェアが低下し、ついに1980年代初めには看板商品であるストラトキャスターなどが、一時的ではあったものの生産終了に追い込まれてしまうという事態になります。
今のフェンダーを見る限り、とても想像できないようなことですが、実際にあったことなのです。
こういう背景もあり、CBS買収前のPre-CBSと呼ばれるフェンダー製品には非常に高いプレミアがつくことになり、今では中古市場で高額で取引されています。

楽器メーカーとして危機的な状況となった訳ですが、当然エレキギターメーカーとして先駆者的な役割を担ってきたフェンダーがこのままで終われるはずがない。
そう、ここからフェンダーの逆襲が始まる訳ですが、この続きは次の記事で!

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