唯一無二の独自性を持つ老舗廉価ブランド(ダンエレクトロ編)

創業が1947年という長い歴史を持つダンエレクトロ。
その前年に創業したフェンダーとほぼ同時期からスタートした老舗中の老舗とも言えるギターブランドなのですが、一般への認知度は決して高くはありません。
ジミ・ヘンドリックスが若き日に愛用し、エリック・クラプトンやジミー・ペイジという超大御所がその昔使用したギターであるにもかかわらずです。

どうやら、その原因はあまりにも強い個性にあるようで、その個性とは、一言で言うならチープ。(笑)
いや、決して悪い意味のチープではないんですよ。

DANELECTRO ( ダンエレクトロ ) / 59M NOS+ Baby Blue

エレキギターメーカーの老舗

ダンエレクトロは、当初はアンプメーカーとしてスタートし、1954年からギターの生産を始めています。
しかし、1969年に親会社の意向で工場を閉鎖し、一旦その歴史は幕を閉じます。
その後、1990年代後半に入ってエヴェッツ社に買収され、再びギターの生産を再開。
ちなみに、エヴェッツ社の社長はオクターヴ・ファズの名機FOXX TONE MACHINEを作ったスティーブ・リーディンガー氏で、そのせいかダンエレクトロは現在ギターの他にもエフェクターを主力製品にしています。

DANELECTRO ( ダンエレクトロ ) / HONEYTONE AQUA

独自のコスト削減策で低価格ギターを販売

ダンエレクトロの代表的なモデルは58年から製造された59DC(DCはダブル・カッタウェイの意)ですが、この59DCにダンエレクトロのポリシーがしっかりと反映されています。
とにかくコスト削減にこだわった構造となっており、ボディには合板もしくはメゾナイトとという木材チップを原料とした硬質繊維板が使用され、コントロールポッド類もスタックタイプ(外側:ボリューム、内側:トーン)を採用、口紅のケースを流用するという発想から生まれたリップスティック・ピックアップなど、他のギターブランドとは一線を画す仕様となっています。
さらにオリジナルの59DCはブリッジが金属製ではなく、アコギのようなローズウッド製のものが採用されるなど、今からすると驚く様な構造を持っていました。

唯一無二のダンエレクトロサウンド

そして、ギターの構造もチープですが、音もチープというのがダンエレクトロ。
今でいうと、アンプ内蔵ギターの音に近いイメージでしょうか。
とにかく音に深みというものは一切ありません。
ですが、このチープな音こそがダンエレクトロの個性でもあるんです。
ギブソンやフェンダーのギターにダンエレクトロの音は出せません。
守備範囲と言う意味では非常に狭いのですが、逆にその狭い守備範囲はダンエレクトロしかカバーすることが出来ないのです。
ですので、ダンエレクトロの音を愛するギタリストも決して少なくはありません。
そもそも、さっぱり使えない音なのであれば、クラプトンやペイジが使ったりするはずもありませんしね。

今も昔も財布に優しいブランド

何と言っても廉価ブランドであることにこだわっているのが、素晴らしい。
50年代からギターを作っているブランドって、どこも大抵昔のモデルを復刻したりしたら、ウン十万円とかいう値段を付けてくるものですが、ダンエレクトロはそんなことは決してしません。
常にユーザーが手に入れやすいことを優先する。
そんなブランドの姿勢も評価されるべき点ですね。

ダンエレクトロの主な製品ラインナップ

現在のダンエレクトロの主なラインナップを以下に書いておきますね。

・’59M NOS+

DANELECTRO ( ダンエレクトロ ) / 59M NOS+ Orange
DANELECTRO ( ダンエレクトロ ) / 59M NOS+ Orange

歴史的モデル59DCの後継機種。
“M”はモディファイ(改造)という意味だそうです。
現行モデルの一つ前に生産されていた’59M NOSというプラスが付かないモデルがあるのですが、このモデルのNOSの名称はNew Old Stock(新品の古い在庫品の意)の略を意味します。
これは2013年ごろに工場の倉庫の片隅から90年代後半に生産されたリップスティック・ピックアップが発見され、それを使ってギターを生産したことによって付けられた名称なのです。
そして、現行モデルのNOS+というのは、そのNOSピックアップの特徴を引き継ぎつつ、抜けの良いハイと、パンチの有るミドル、ソリッドなローを備えた新設計のピックアップを採用しているという意味になります。
ボディはメゾナイトのセミホロウ構造。
メイプルネックにローズウッド指板、21フレット仕様で、スケール長が636mmとフェンダー(ロングスケール)とギブソン(ミディアムスケール)の中間くらいになっています。
ブリッジはバダスタイプになっていますね。
メタルナットが採用されているのも、特徴的。
気になる価格ですが、税込みで5万円強くらいと、やはりリーズナブルな設定になっていますね。


・The ’64


Danelectro エレキギター THE 64 レッドメタリック

まあなんというか、アレです、モズライトのコピーモデルです。(笑)
リアのピックアップに、リップスティックを2つ並べたハムバッカー構造にしている点が特徴的。
ボディ材はアガチス。
確か、スクワイアのストラトにも使われている材ですね。
メイプルネックにローズウッド指板、スケール長が636㎜というのは’59M NOS+と同様ですが、こちらは22フレット仕様。
ダンエレクトロのラインナップ中では最も高級なモデルで、実売価格は10万円強。


・LONGHORN GUITAR


Danelectro エレキギター ロングホーン

見た目のインパクトが最大級な超個性派ギター。
ボディ材やネックの仕様は’59M NOS+と同様。
2017年1月現在で日本の代理店であるキクタニミュージックのHPには載っていますが、メーカー側のHPにはこのモデルは記載されていません。
ですので、生産が終了している可能性が高く、今後レア度が高くなるかも。
実売価格は6万円弱程度。


ダンエレクトロは、エレキギター以外にも6弦ベースやエレクトリック・シタールなんかも有名ですね。
ギターのサウンドは、いい意味でチープ。
他のブランドには真似の出来ない独自路線が魅力的なブランドで、これをステージで持ってたら目立つこと間違いなし!

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