レッド・ツェッペリン初期のサウンドを支えたアンプブランド(スプロ編)

スプロとドブロ・ギターの関係

現在のスプロは、アメリカのAbsara Audio社が所有する、ギター/アンプ/エフェクターブランドです。
よくスプロは、ドブロ・ギターをルーツに持つブランドだと言われることが多いのですが、実はこのあたりの事情はかなり複雑。
ドブロ・ギターは、ジョン・ドピエラとルディ・ドピエラのドピエラ兄弟によって1928年に設立されたリゾネーターギターメーカーなのですが、実はドピエラ兄弟というのは五人いて、元々はその五人ともがナショナル・ストリング・インストゥルメンツというこれまたリゾネーターギターで有名なメーカーに深く関わっていました。
この五人のうちジョンとルディの二人が、ナショナル社内でドピエラ兄弟以外の幹部との意見の対立が原因で会社を辞め、新たに作った会社がドブロ・ギターなのです。
ナショナルとドブロは、しばらく別のギターメーカーとして生産を続けていましたが、この間もジョンとルディの二人と他の三人のドピエラ兄弟の繋がりが切れたわけではありませんでした。

SUPRO ( スプロ ) / 1624T Dual Tone

その後、ナショナル社が経営不振に陥ったり、ナショナル社とけんか別れしたはずのジョンがナショナル社の大株主になるなどの紆余曲折もあり、最終的にドピエラ兄弟がナショナル社の経営権を持つようになります。
こうなると、まあ当然の成り行きというか、半ば自動的に両社が合併してナショナル・ドブロ・コーポレーションという会社が誕生。
この一連の流れの中にいたドピエラ兄弟の一人、ルイス・ドピエラ氏が1940年に設立に関わったのがValcoという楽器メーカーでした。
むむ・・・複雑なので分かりにくいですね・・・。
まあ、とにかくドブロ・ギターと関係の深いルイス・ドピエラ氏が創業した会社がValcoだという事ですね。
Valcoの名前のうち前の3文字は設立者の頭文字、後ろの二文字はcompanyから来ており、valのlはルイスの頭文字になるそうです。
そして、このValco社が自社ブランドとして所有していたのがスプロ(Supro)ということになるのです。

ジミー・ペイジが愛用

スプロが製造したギターアンプは、実は当初それほど人気が高いものではありませんでした。
ジミ・ヘンドリックスが60年代中ごろに使用していたことがあったようですが、ジミヘンでアンプと言えばマーシャルのイメージの方が強く、スプロはどうしても陰にかくれがち。
しかし、そこへ現れたのがあのジミー・ペイジでした。(まあペイジもマーシャルのイメージが強いですけどね・・・)
彼がレッド・ツェッペリンの1stと2ndアルバムの一部でスプロのアンプを使用し、一躍注目を集めるようになります。
さあ、ツェッペリンのおかげで大ブレイク!・・・といきたいところでしたが、少し遅すぎた。
スプロを所有するValco社は業績不振のために1968年に倒産してしまっていたのです。
ツェッペリンの1stは1969年リリースですので、惜しくもタッチの差で間に合わなかったのです。
こうして新たに製造されることがなくなったスプロのアンプは、ツェッペリンと共に伝説化することになります。

21世紀になって復活

その後長らくスプロの名前は過去のものとして記憶されていたのですが、2005年に元フェンダーのアンプ技術者として著名なブルース・ジンキー氏によって商標が買い取られ、彼が自らの会社で製造するアンプにスプロの名前を付けたことで復活を果たします。
その後、スプロの商権はブルース・ジンキー氏からAbsara Audio社へと移り、2014年から往年の名機を復刻(全モデルUSA製)させて本格的な再スタートを切っています。

スプロアンプの主な現行ラインナップ

S6420 Thunderbolt

SUPRO ( スプロ ) / S6420 Thunderbolt
SUPRO ( スプロ ) / S6420 Thunderbolt

ジミ・ヘンドリックスが60年代中ごろに使用していたチューブアンプが、スプロのサンダーボルトでした。
コントロールパネルは、ハイ&ローのインプットとボリューム/トーンのたった2つのノブだけで構成されるという超が付くほどのシンプルさで、60年代の匂いがプンプン。
ナチュラルに歪ませるオーバードライブは絶品の一言で、ジミヘンが愛用したのも成程と納得できます。
ギターアンプとしては最大クラスの15インチスピーカーを採用していますが、出力は35Wとやや小規模なライブ向きと言えるでしょう。
往年のヴィンテージサウンドがここにある!
気になるお値段は、税込みで約14万円!

S6420+ Thunderbolt Plus

SUPRO ( スプロ ) / S6420+ Thunderbolt Plus
SUPRO ( スプロ ) / S6420+ Thunderbolt Plus

サンダーボルト・プラスは往年の名機サンダーボルトをベースにして、ブルース・ジンキー氏とPigtronix社のデイビッド・コルタイ氏によって再設計されたモデルです。
出力切替機能を搭載しており、35W/45W/60Wと三段階に出力を変更することが出来るのが最大の特徴。
こちらも15インチスピーカーを採用しており、一回りも二回りもパワフルになったサンダーボルトを体感することが出来ます。
お値段は、税込み約15万円!

1690T Coronado

SUPRO ( スプロ ) / 1690T Coronado
SUPRO ( スプロ ) / 1690T Coronado

10インチのスピーカーを2発搭載した35Wのチューブアンプ。
実はジミー・ペイジがツェッペリンのアルバムのレコーディングで使用したスプロのアンプは、どのモデルなのかがはっきりとしないのですが、この1690T Coronadoか後でご紹介する1624T Dual Toneのどちらかに、スピーカーが12インチ×1、インプット・ゲイン回路、トレモロ・フットスイッチ、そしてアンプの外観が大幅に改造されるなどのモディファイが加えられたものだと言われています。(20W出力のModel 24だという説もあり、スプロの公式サイトではそれをうかがわせる記述もあります。ただ、Model 24はこの記事を書いている時点では再生産には至っていません。)
トレモロを搭載した2チャンネル仕様で、大胆かつ古典的なアメリカントーンを発するヴィンテージタイプのモデルです。
実売価格は税込み16万円ほど。

1624T Dual Tone

SUPRO ( スプロ ) / 1624T Dual Tone
SUPRO ( スプロ ) / 1624T Dual Tone

ジミー・ペイジがレコーディングで使用したと言われる、もう一つの候補がこちらの1624T。
1690T Coronadoと同様にトレモロ搭載の2チャンネル仕様で、12インチスピーカー1発の24W出力となっています。
特徴的なのはパワー管に6973を搭載している点で、現存するギターアンプのパワー管に6973を使用しているモデルは他にはないそうです。
6973管によるナチュラルオーバードライブの醍醐味を存分に堪能できる名機。
実売価格は税込み約14万円。


以上が、スプロの主なアンプ・ラインナップとなります。
伝説の名機の復活、ギタリストにとってはうれしい限りですね!
なお、スプロの日本国内販売代理店は、楽器通販大手のサウンドハウスが務めている関係上、基本的にネット通販のみ(もしくはサウンドハウスの実店舗)となり、おそらく一般の楽器店で新品は販売していないものと思われますので、その点は注意が必要です。

スプロのアンプを・・・

>>サウンドハウスでチェック!

スポンサーリンク

シェアする

フォローする