定番ギターアンプの基礎知識(Mesa/Boogie Dual Rectifier編)

ハイゲインアンプの代名詞

ハイゲインアンプのメーカーとして有名なメサ・ブギーを代表するアンプが、Dual Rectifier(デュアル・レクチファイアー)です。
アグレッシブな重低音によってヘヴィメタル・サウンドに革新的な変化をもたらし、多くのHM系ギタリスト達に支持されてきましたが、近年ではメタル以外のジャンルでも使用されることが多くなってきています。
モデル名の由来となったデュアル・レクチファイアーとは、交流電源を直流に変換する役割を持つ製流器(レクチファイアー)が2つあるという意味で、真空管による整流とダイオードによる整流の2つを切り替えることができることから「デュアル」と名付けられています。
これらの整流器によって直流に変換された電気から生まれる滑らかな歪みサウンドは、発売から25年以上経過した今でも多くのギタリストの垂涎の的であり続けています。
今回は、そのデュアル・レクチファイアー(通称:レクチ)について少し掘り下げてみたいと思いますね。

MESA BOOGIE ( メサブギー ) / Dual Rectifier Solo Head

レクチの歴史と名前の由来

レクチが発売されたのは1992年の事でした。
当時既にギターアンプにはハイゲイン化の波が訪れており、マーシャルのJCM900やピーヴィーの5150など、各メーカーからゲインコントロールに注力したモデルがリリースされていました。
そんな時代にあって、既にMKシリーズによってハードロックシーンで確固たる地位を築いていたメサ・ブギーが黙っているはずもありません。
メサ・ブギーが培った技術を結集して作り上げたレクチは、素晴らしい歪みサウンドを持ちながら、それでいて美しいクリーントーンも実現しており、大御所メタリカの使用などによって時代を代表するアンプとなります。

90年代のレクチには、低出力仕様のBlue AngelやMaverickなどもラインナップされていましたが、やはり最も人気が高かったのは100W出力のソロ(solo)で、一般的にレクチと言えばソロの事を指すことが多くなっています。
また、ソロには整流用の真空管が2本使用されており、この本数が「デュアル」の由来になっていると言われることがありますが、正しくは上に書いたように整流回路を真空管/ダイオードに切り替えられることが名前の由来になっています。
ただし、姉妹機種であるBlue Angelには整流器の切替機能はついていないにもかかわらず、デュアル・レクチファイアーの名前が冠されています。
このあたり、ネーミングの由来と実際の製品仕様がきっちり合致していないので、少々混乱するかもしれませんね。
その後、ラインナップの統廃合が進み、100Wヘッドのソロは2000年に従来の2chから3ch仕様に変更されます。
現在、スタジオに置いてあるレクチは、この3ch仕様のものが主流となっていると思われます。

2017年現在のRectifierラインナップ

2017年現在でのレクチファイアーシリーズのラインナップは、Mini Rectifier 25,Recto-Verb 25,Dual Rectifier,Triple Rectifier,Road King II,Roadsterの6機種となっています。
この記事は、基本的にDual Rectifierについて書いていますが、他のRectifierシリーズに関しても、それぞれの違いを挙げながら簡単に解説してみたいと思います。

Mini Rectifier 25

MESABOOGIE / メサブギー Mini Rectifier ギター用スタックアンプセット

Class A/B駆動、25W出力のコンパクトなレクチ。
2ch仕様で、それぞれにモードが2つずつ(計4モード)実装されており、出力も25W/10Wに切り替え可能。
使用真空管は、パワー管EL84×2/プリ管12AX7×5、エフェクトループ機能を使用出来るセンド/リターン端子も装備しています。
コンパクトになってもレクチのディストーションサウンドは健在で、小規模なステージなんかではとても使い勝手が良いモデルです。
なお、整流器はダイオードのみで、切替機能はありません。
コンボタイプは無く、ヘッドアンプのみがラインナップされています。
実売価格は15万円前後と25Wヘッドとしては少し高めですが、メサ・ブギーのフルチューブでしかもレクチと考えれば、決して高くはないでしょう。

Recto-Verb 25

(ゴメンなさい、使用可能な画像がありませんでした・・・)
基本的にはMiniのリバーブ機能搭載版ですが、メタリックな外観のMiniと比べて、Recto-Verb 25はトラディショナルな雰囲気を持っているので見た目は大分違います。
Miniに単純にリバーブを足したという訳ではなく、真空管の構成がパワー管EL84×2/プリ管12AX7×6となっており、若干ですが異なる仕様になっています。
その他の仕様はMiniとほぼ同じですが、こちらはヘッドアンプだけでなくコンボタイプもラインナップされていて、12インチFillmore75スピーカーが1発装備されています。
実売価格は、ヘッドが20万円弱、コンボが20万円前後程度となっています。

Dual Rectifier

MESA BOOGIE ( メサブギー ) / Dual Rectifier Solo Head
MESA BOOGIE ( メサブギー ) / Dual Rectifier Solo Head

これがレクチの本流。
Class A/B駆動の3ch仕様で合計8つのモードを搭載し、100W/50Wに出力を切替可能。
レクチの特徴である、真空管整流とダイオード整流の切替機能も、もちろん搭載。
真空管の構成はプリ部12AX7x5、パワー部6L6x4、レクチファイアー5U4Gx2となっています。
センド/リターン端子も装備。
レクチと言えば歪みにばかり目(耳?)が行きがちですが、クリーントーンも非常に秀逸ですので、イメージよりもオールマイティに使える優れたアンプです。
ヘッドアンプのみがラインナップされていて、実売価格は30万円前後。

Triple Rectifier

Mesa Boogie / Triple Rectifier Solo Head Multi-Watt 150Wフルチューブ ギターヘッドアンプ メサブギー

Dual RectifierをパワーアップしたClass A/B駆動の150W/50Wヘッド。
パワー関係以外の仕様はDualと同様で、3ch・8モードを選択可能。
整流回路の切替機能やセンド/リターン端子も装備。
真空管構成はプリ部12AX7x5、パワー部6L6×6、レクチファイアー5U4Gx3で、名前がトリプルなのは整流管が3本あるからか、もしくは出力が「Dual」の1.5倍だからだと思われますが、もうこうなると「Dual」のほうの名前の由来も怪しくなってくる。(笑)
こういう風に名前の付け方がアバウトなところが、アメリカンですね~。
もちろん、レクチの大出力版だけあって、その迫力はスゴイ。
一応出力を50Wに切り替えられるものの、やはり実力の全てを出し切ろうと思うと、小さな会場ではちょっと手に余るかも知れませんね。
こちらもラインナップはヘッドのみで、実売価格は30万円強程度。

Road King II

※2017年に生産完了モデルとなりました。

現行Rectifierシリーズの中で、最も高級仕様のモデル。
Class A/B駆動、出力を120W/100W/50Wの3段階に切り替え可能で、4ch・12モードを搭載。
整流器の切替機能、リバーブ機能に2系統のエフェクトループも装備しています。
プリ部12AX7x6、パワー部6L6×4+EL34×2、レクチファイアー5U4x2という真空管構成で、パワー部を5つのパターン[6L6×2][ EL34×2][6L6×2+EL34×2][6L6×4][6L6×4+EL34×2]に即座に切替えられるProgressive Linkageという機能も搭載。
さらに、キャビネットを2台接続して、チャンネルごとにキャビネットのセレクトが出来るという、もう全部乗せ状態。
現在のギターアンプの中で、最も多彩な機能を持つアンプの一つと言えるでしょう。
ヘッドとコンボ(12インチCelestion C90を2発搭載)の両方が用意されており、ヘッドは45万円前後、コンボは50万円前後と高機能だけあって価格も高額。

Roadster

※2017年に生産完了モデルとなりました。

こちらはRoad Kingの廉価版的ポジションのモデル。
Class A/Bの100W/50W出力で、4ch・12モード仕様。
整流器の切替機能、リバーブ機能が搭載され、エフェクトループは1系統となっています。
真空管は、プリ部12AX7x6、パワー部6L6x4、レクチファイアー5U4x2で、Road KingのようなProgressive Linkage機能やキャビネットの切替機能は実装されていません。
ヘッドとコンボの2タイプがラインナップされていましたが、このモデルは2017年5月に生産終了となったようで、新品の販売は在庫限りとなる模様です。
一応、この記事を書いている2017年7月時点での実売価格は、ヘッドが35万円前後、コンボが40万円前後となっています。

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以上、Mesa/Boogie Dual Rectifierの歴史と現行モデルについて書いてみました。
ハイゲインでヘヴィメタ向きなイメージの強いレクチですが、クリーントーンの評価も高く、実はオールマイティに使えるアンプだったりします。
価格的に高めなのが辛いところですが、価格以上の感動を与えてくれる秀逸なギターアンプですよ!

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