定番ギターアンプの基礎知識(Marshall JCM800編)

マーシャルのアンプラインナップには、歴史に残る名機と呼ばれるモデルが多数揃っていますが、その中で最もリスペクトされ、最もヒットしたモデルがJCM800です。
ロック・ギタリストにとってマーシャルのアンプは王道中の王道とも言える存在であり、その中で最も中心的な存在であり続けるJCM800については、やはりある程度の知識は持っていたいものですよね。
ということで、今回はそのJCM800にスポット当てて記事を書き進めてみたいと思います。

MARSHALL ( マーシャル ) / JCM800

JCM800シリーズの歴史

JCM800が発売されたのは、1981年の事でした。
それ以前のマーシャルは、既に1959やBluesbreakerなどの人気モデルによってアンプメーカーとしてメジャーな地位を築き上げていましたが、イギリス以外の国では販売代理店のRose-Morris社が55%ものマージンを乗せて販売していたため、非常に高価なものとなっていました。
そして、そのRose-Morris社とマーシャルの間で結ばれた15年間に及ぶ契約が1981年に切れ、それを待っていたかのように発売されたのが、JCM800だったのです。
ちなみにJCM800という名前の由来は、創業者のJames Charles Marshallのイニシャルと、彼の車のナンバーから来ているという事らしいですね。
ただこの他にも、1990年にJCM900が、2000年にJCM2000が発売されたことから、JCM800も80年代を意味しているという説もあります。

実はJCM800というのは単一のモデルを指すものではなく、JCM800シリーズとして色々なタイプのアンプが製造されていました。
1981年時点で主だったものを挙げてみると、
 ・マスターボリューム無し100Wヘッドの「1959」
 ・マスターボリューム付100Wヘッドの「2203」
 ・マスターボリューム無し50Wヘッドの「1987」
 ・マスターボリューム付50Wヘッドの「2204」
 ・2203+12インチスピーカー2発キャビネットの100Wコンボ「4103」
 ・2204+12インチスピーカー2発キャビネットの50Wコンボ「4104」
 ・2204+12インチスピーカー1発キャビネットの50Wコンボ「4010」
などがあります。
つまりJCM800シリーズは、新たに開発したモデルというよりは、Rose-Morris社との契約が終了したことをきっかけにして、それまでに生産していた製品の中から今後の主力となるであろうモデルをベースにして再編成し、改めて発売されたというイメージの方がしっくりくるかも知れませんね。
その後、1983年にはクリーン/ドライブの2チャンネル+リバーブ搭載モデルとして2210(100W)と2205(50W)の2種類のヘッドアンプが発売され、それに伴ってコンボアンプの4211(2210+12インチ×2キャビネット),4212(2205+12インチ×2キャビネット),4210(2205+12インチ×1キャビネット)もラインナップに加えられています。
後発の2チャンネルモデルは流通数が少なく、今となってはとてもレア度が高くなっているようですね。
1990年に後継機のJCM900が発売されたためにJCM800シリーズは生産終了となりますが、その後も再販を望む声が高かったため、マーシャル創立40周年となる2002年に100Wヘッドの2203が再発売され、2017年現在でも生産が継続されています。

JCM800の特徴

現行のJCM800は、実は近年のギターアンプの中にあっては、それほど特筆すべき特徴はないアンプです。
80年代のロックシーンを支えたオリジナルのJCM800には独特の荒々しさがありましたが、現行品はオリジナルの雰囲気は残しつつも荒々しさは少し控え目になっているイメージです。
すごくハイゲインな歪ませ方が出来る訳でもなく、特別高性能なパーツが使われていたりもしませんし、複数のチャンネルやビルトイン・エフェクトもありません。
一言で言ってしまえば、シンプルな「普通」のアンプです。
ですが、アンプとして普通にやるべきことを、きちんと普通に出来るアンプだとも言えます。
これって簡単に出来そうで意外と出来ないことなのです。
ロックの音を出そうとすれば、普通にちゃんとロックの音を出してくれますから、そういう意味では、JCM800は長く付き合いやすい相棒なのかも知れませんね!

現行JCM800 2203の仕様

MARSHALL ( マーシャル ) / JCM800
MARSHALL ( マーシャル ) / JCM800

現行品の仕様は、「2203」ですので100Wヘッドでマスターボリューム付きということになります。
真空管は、プリアンプ部がECC83×2、パワーアンプ部がECC83×1,EL34×4となっています。
HighとLowの二種類の入力端子があり、Highはパッシブ・ピックアップのギター、Lowにはアクティブ・ピックアップのギターを接続するのが一般的と言われています。
オリジナル・モデルとの違いは、センド/リターン端子を装備している点で、これによりエフェクターの使い勝手はオリジナルより向上しています。


以上がJCM800シリーズの歴史や特徴となります。
現行品でJCM800の名を冠しているのは2203の1モデルのみですが、多彩な機能を搭載した近年のアンプとは異なり、単チャンネルのとてもシンプルな構成となっています。
まあそういう意味では、アンプの操作に悩むことはあまりない。(笑)
アンプの仕事をきっちりとこなしてくれるアンプを求めている方には、オススメですよ!

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