多くのギタリスト達があこがれるマーシャル・ウォール(マーシャル・キャビネット編)

スタックアンプの元祖

ステージにそびえるアンプの壁。
今でこそライブ会場では珍しい光景ではありませんが、ヘッドアンプの下に12インチ×4発スピーカーのキャビネットを2段重ねて計3段積みの壁を作るのは、マーシャルが最初に確立したスタイルなのです。
時は1965年、ザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼンドがマーシャルに12インチスピーカーを8発使用したキャビネットを発注したことがそもそもの始まりでした。
マーシャル社は彼の要望通りに巨大なキャビネットを製造して納品しますが、大きく重すぎたその筐体は、運搬を行っていたローディー達の不評を買うことになります。
この状況を改善するために施された対策が、8発のスピーカーを4発の筐体二つに分けるという、何ともシンプルな方法だったのですが、これがルックス的にも好評であったことで、マーシャル・スタックはロックを象徴するほどのアンプに成長します。

大きいけどギターの音の50%が決まる超重要な機材

しかし、いわゆるフル・スタックと呼ばれる3段積みを個人で所有するのは、冷蔵庫並みの大きさ故、保管場所の確保や運搬が大変という事もあって簡単な話ではありません。
ヘッドアンプとキャビネット1台で構成される2段積みのハーフ・スタックであれば、自宅に設置することも可能でしょうけど、それでもやはりアンプに真の実力を発揮させるほどの大音量を出せる環境を用意できる人は少ないはず。
つまり、個人で自宅で練習用として使うレベルにおいては、マーシャルのスタックアンプのような大きな機材の需要はあまり高くはないのです。
とはいえ、キャビネットはギターサウンドの50%を占めると言われるほどの重要な機材ですし、マーシャルのアンプはスタジオに置いてあることが多く、アマチュアのギタリストであっても使用する機会はそれなりにあるものと思いますので、可能な限り知識を持っておいた方が良いでしょう。
ということで、ここではマーシャルのスピーカーキャビネットの主なモデルについて書いていきたいと思います。

マーシャルの主なキャビネットモデル

1960シリーズ

1960A/1960B

MARSHALL ( マーシャル ) / 1960A
MARSHALL ( マーシャル ) / 1960A

マーシャルのスピーカーキャビネットを代表するのが1960シリーズ。
その中でも最も人気が高いのが伝統の1960Aと1960Bです。
現行品は、A,B両モデルともCELESTION(セレッション)製12インチスピーカーG12T-75を4発搭載し、許容入力値は300W、インピーダンスは16Ω/4Ω(モノラル)、8Ω(ステレオ)となっています。
サイズは、770Wx755H(キャスター部除く)x365Dのクローズドバック。
スラントモデルのAキャビネットは、上段のスピーカーが上方を向いている分、ストレートモデルより音が広がりやすいと言われており、Bキャビネットはエンクロージャーが斜めにカットされていない分だけ重量が重く、それによってAキャビネットより中低域が引き締まった音がすると言われています。
大型キャビネットの定番中の定番品ですね。
新品の実売価格は、A,B両モデルとも10万円強くらいです。
ちなみにマーシャルはスラントモデルをAキャビネット、ストレートモデルをBキャビネットと呼んでいますが、これはAはAngled(角度付き)、BはBase(土台)という意味だそうです。

1960AV/1960BV

MARSHALL ( マーシャル ) / 1960AV
MARSHALL ( マーシャル ) / 1960AV

型番の後ろにVintageを意味するVが付く1960AV/1960BVは、スピーカーにG12 Vintageを採用している点が無印と異なる点です。
スピーカーの許容入力値が70Wであるため、キャビネット全体としての許容入力値が280Wとなる以外は、サイズやインピーダンスなどのスペックは無印品と同じ。
サウンド面では、無印品よりも全体に輪郭がハッキリしているのが特徴で、歪ませた音を前に押し出す力に優れたモデルです。
ストレートモデルの1960BVは、特にメタル系のプレイヤーから高い支持を受けています。
実売価格は無印より若干高く、15万円弱と言ったところ。

1960AX/1960BX

MARSHALL ( マーシャル ) / 1960BX
MARSHALL ( マーシャル ) / 1960BX

CELESTION GREENBACK G12M-25という許容入力が25Wのスピーカーを使用しているのが、1960AX/1960BX。
無印に比べて、高音が強く低音が控え目なのがサウンド面の特徴で、その特性からヴィンテージ系のアンプとの相性がとても良くなっています。
マーシャル製アンプなら、1959SLP、1987Xあたりとのマッチングがオススメ。
ただし、許容入力が25W×4=100Wとなるので、高出力のヘッドアンプを接続する場合には注意が必要。
50W出力の1987Xであれば問題ありませんが、100W出力の1959SLPの場合はAXとBXを両方使って3段積みにし、許容入力を計200Wにした方が良いようですね。
サイズは770Wx755Hx365Dで無印品と同等ですが、インピーダンスは16Ω(モノラル)のみとなっています。
実売価格は税込みで15万円前後くらい。

1960AHW/1960BHW

Marshall/Handwired Series Cabinet 【1960AHW.1960BHW】 1960AHW

HWシリーズは、プリント基板を用いない手作業のワイヤリングによって製造されているモデルです。
スピーカーにはCELESTION G12H-30を4発使用し、許容入力値は120W。
サイズは770Wx755Hx365Dで、インピーダンスは16Ω(モノラル)のみ。
60年代のサウンドを再現することにこだわったモデルで、クリアで引き締まった低音とパンチのきいたミドル、明るい高音のサウンド特性を持っています。
ヘッドアンプは、同じくハンドワイヤード品である2245THWがベストマッチです。
実売価格は、15万円強~20万円程度。

1960TV

MARSHALL ( マーシャル ) / 1960TV
MARSHALL ( マーシャル ) / 1960TV

スピーカーに1960AX/1960BXと同じCELESTION GREENBACK G12M-25を採用した1960TVは、他の1960シリーズよりも65㎜背が高いのが特徴。
エンクロージャーが大きいことで低音の響きが増し、中高域を抑えた迫力のあるサウンド特性を持っています。
なお、このモデルにはストレートのBキャビは設定されていません。
許容入力は100W、インピーダンスは16Ω(モノラル)。
ちなみに型番のTVはTall Vintageの略だそうですので、決してテレビと読んではいけません。(笑)
実売価格は15万円弱程度となっています。

1960以外のモデル

1936/1936V

MARSHALL ( マーシャル ) / 1936
MARSHALL ( マーシャル ) / 1936

1936は、1960の2発スピーカーバージョンとなります。
サイズは740Wx600Hx305Dで、1960と同じ12インチスピーカーG12T-75を2発搭載し、許容入力は150W、インピーダンスは8Ω(モノラル),16Ω(ステレオ)となっています。
ラックシステム用として最適なキャビネットですが、マーシャルのヘッドアンプとサイズ的にマッチするように設計されていますので、小規模なスタックアンプ構成を組むことも可能となっています。
スピーカーにCELESTION G12 VINTAGEを使用した1936Vもラインナップされています。
実売価格は7万円前後。

1912

MARSHALL ( マーシャル ) / 1912
MARSHALL ( マーシャル ) / 1912

12インチCELESTION G12B-150を1発だけ搭載した小型スピーカー・キャビネットの名機。
510Wx465Hx290Dというサイズでありながら、圧倒的な鳴りを誇るモデル。
特に低音部の鳴りはド迫力の一言。
スピーカーは1発ですが150Wもの許容入力があるので、数ワットクラスの小型アンプヘッドから、50Wクラスのアンプまで幅広くカバーできるので、ライブやレコーディングはもちろん、自宅練習でも使える汎用性も持ち合わせています。
インピーダンスは8Ωで、気になる実売価格は5,6万円ほど。

MX212

MARSHALL ( マーシャル ) / MX212
MARSHALL ( マーシャル ) / MX212

自宅でもヘッドアンプ+キャビネットという構成にこだわりたい方にオススメのモデル。
スピーカーに12インチCELESTION SEVENTY 80を2発使用し、許容入力は150Wを誇りますが、出力15W程度の小型アンプヘッドでも存分に実力を発揮できるよう設計されています。
サイズは750Wx545Hx315D、インピーダンスは8Ω。
3万円台で購入できるリーズナブルさも魅力ですね。
スピーカーが1発のみの姉妹機MX112もラインナップされています。


以上が、マーシャルのキャビネットの主なラインナップとなります。
スタックアンプ元祖のマーシャルだけあって、どのモデルも安定感の高さが感じられますね。
価格的にも幅広くラインナップされていますので、上級者だけでなく初めてキャビネットを購入しようという方にもオススメできるブランドです。

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