エレキギターの基礎知識(レス・ポール編:その3)

今回は、現在ギブソン社で生産されているレス・ポールのラインナップについての話です。
歴史が長いものから新しいものまで、バリエーション豊かですよ。
なお、参考までにこの記事を書いている時点でのおおよその新品価格も書いておきますが、あくまでも参考程度ですので、実際の値段とは異なる場合があることは、ご了承ください。

豊富なレス・ポールのラインナップ(その1)

・レス・ポール・スタンダード

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Gibson ギブソン レスポールスタンダード Les Paul Standard 2015 Tobacco Sunburst Candy

1952年に誕生

文字通りレス・ポールの標準タイプ。
1952年から1957年に生産されたゴールドトップは、正式名称は単にレス・ポール・モデルというだけの名称だったのですが、1958年にサンバーストカラーが発売されてから、レス・ポール・スタンダードという名称になりました。
使用されている木材は、ボディバックにマホガニー、トップにメイプル、ネックはマホガニーで指板はローズウッドというのが基本的な仕様です。(メイプルネックという仕様のものも一時期ありました。)
1958年から60年の間に生産されたものは超プレミア価格で取引されていますね。
再販された1968年以降は細かな仕様変更を行いつつ生産が継続されていましたが、2008年に大幅なモデルチェンジを実施しています。

現行品はチェンバード構造に

重量対策のためにボディの内部を大幅にくり抜いたチェンバード構造に変更(これにより現在のレス・ポールはソリッドギターではなくセミホロウギターに分類されます。)し、ネックの形も裏側の頂点を6弦側に少しずらしたアシンメトリカル(左右非対称)ネックを採用するなどしています。
実はこのモデルチェンジは賛否両論が多く、結果的に旧仕様を維持したトラディショナル・シリーズの誕生に至っています。
2012年には再び大きなモデルチェンジを行い、指板が丸みのあるローポジションからハイポジションにかけて徐々に平らになっていく「コンパウンド・ラディアス」を採用し、ボディ内部のくり抜きもモダン ウェイト・リリーフと呼ばれるチェンバード構造ほどには削らない加工に変更して、2008年モデルとトラディショナルの中間くらいの重量になっています。

HPモデルとTモデル

2014年からは自動チューニングシステムのMin-Etuneも搭載し、2015年モデルからは進化版の「G FORCE」を採用するなど、先進的な機能も積極的に取り込んでいます。
さらに2016年モデルからはHPモデルとTモデルという、仕様の異なる2モデル体制に切り替えられています。
HPモデルとTモデルは、細かな点で色々と仕様が異なるのですが、コンセプトとしてはHPは最新仕様を盛り込んだハイパフォーマンスモデル、Tモデルは伝統的な仕様にしたトラディショナルモデルという位置付けになっています。

実売価格

本家ギブソン製新品の価格は、この記事を書いている2017年3月時点で、レギュラーライン品のHPモデルが30万円強くらいで、Tモデルがそれより1割くらい安く設定されています。
オリジナル・モデルを復刻したスタンダード・ヒストリック・シリーズなら40万円以上、さらに上位モデルのトゥルーヒストリック・シリーズなら、50万円以上と高価なモデルも作られていますね。

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・レス・ポール・カスタム

GIBSON ( ギブソン ) / Les Paul Custom Ebony
GIBSON ( ギブソン ) / Les Paul Custom Ebony

レス・ポール・スタンダードの上位機種

1954年に発売されたレス・ポール・ゴールドトップの上位機種。
今ではいくつかカラーバリエーションがありますが、当初はEbony(黒)のみでした。
現在でも黒いレス・ポール・カスタムは、”ブラック・ビューティー”という愛称で親しまれています。
「タキシードに似合うギター」をコンセプトに、多層バインディングやゴールドパーツ、”スプリット・ダイヤモンド・インレイ”と呼ばれるヘッド部分のインレイなどの装飾が施され、高級感あふれる仕様になっています。
このカスタムもスタンダードと同様に1960年に製造が中止されたのち、1968年から再生産されるという経緯をたどっています。
使用されている木材は、発売当初はマホガニー単板ボディにマホガニーネック、エボニー指板でした。
68年の再販時にはボディがマホガニーバック+メイプルトップに変更されていましたが、現在ではどちらのタイプも生産されています。
指板は長らくエボニーを使用していましたが、資源の枯渇により、近年のモデルの一部には、ローズウッドや「リッチライト」と呼ばれる人工合板材が代替として使用されています。
この「リッチライト」ですが、普通に考えると自然の木材から人工素材に変えるというのは、グレードダウン的なイメージがあると思います。
ですが、この人工素材はかなりのスグレモノで、エボニーとほぼ変わらない手触りでありながら、耐久性はエボニーよりも遥かに高く、そして何より安いという、メリットの方が多い素材なのです。
従って、リッチライトだからといって、従来のエボニーより劣るという事は決してないようですよ。

カスタムショップによる生産

カスタムシリーズは、2004年まではギブソンのレギュラーライン上で生産されていましたが、その後はギブソン社内に設置された高級品専門工房「カスタムショップ」での生産に切り替えられています。
レス・ポール・カスタムというと黒のイメージが強いですが、白も非常にエレガントなルックスで、人気が高いですね。
新品の価格は、やっぱり平均60万円、安くても40万円以上はするっぽい。

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・レス・ポール・ジュニア

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Gibson ギブソン レスポールジュニア Les Paul Junior 2015 Gloss Yellow

廉価版レス・ポールとして登場

1954年にレス・ポールの廉価版として発売されたのが、レス・ポール・ジュニア。
ジュニアもスタンダードやカスタムと同様に1960年に製造が中止されています。
ただ、再販されたのはスタンダードなどよりも少し遅く、70年代に入ってからでした。
ピックアップはP-90が1つのみでコントロールもトーンとボリュームだけというシンプルな仕様で、ボディ表面もアーチトップではなくフラットトップになるなど、徹底してコストダウンが図られています。
このため同じレス・ポールの名を冠していながら、スタンダードなどとは全く違う鋭いサウンド特性を持っており、事実上レス・ポール・スタンダードとは全く別物のギターという認識がユーザー間で定着しています。
ジュニアの音の方が好みだというアーティストも、多いですね。
ボディとネックはマホガニーが使用されており、指板はローズウッド。
製造中止前の58年にはダブルカッタウェイモデルも発売されていますね。
廉価版とはいえ、発売当時に使用されていた木材は、現在ではもう手に入らないものとなっていて、同じものを今作ろうとすると、とんでもない価格になってしまうようです。
そういう事情もあり、現在では発売当時の仕様に近い物を、カスタムショップが生産しているほか、安価な木材を使用したものがレギュラーライン上でも製造されています。
新品の価格は、レギュラーライン品なら10万円はしないくらい、カスタムショップ品なら40万円くらいといったところでしょうか。

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・レス・ポール・スペシャル

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Gibson ギブソン レスポールスペシャル Les Paul Special Double Cut 2015 Heritage Cherry

後から生まれたけどジュニアの兄貴分

ジュニアのピックアップを2基にしたバージョンです。
1955年に発売されたスペシャルは、仕様的にはジュニアよりちょっと高級感があり、ジュニアより後に登場していますが兄貴分的な存在ですね。
製造中止や再販の経緯はジュニアと同様で、使用木材やダブルカッタウェイモデルが存在する点も同じ。
スペシャルのダブルカッタウェイモデルは、その後SGへと発展していきます。
現在の生産ラインが、カスタムショップとレギュラーラインの二つに分かれているのも基本的に同じという、何から何までセットになっている二機種ですね。
気になる価格は、レギュラーライン品なら10万円弱~20万円弱、カスタムショップ品だと40万円くらいかなと思います。

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まだまだレス・ポールには色んなバージョンがあります。
次回もこの続きですよ!

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