小ぶりなボディで女性でも楽に扱えるフェンダーのスチューデントモデル(デュオソニック編)

フェンダーのデュオソニックは、2016年夏にアメリカ・ナッシュビルで開催された楽器の見本市”Summer NAMM”ショウで新たにラインナップに加わることが発表されました。
Fender Offset Seriesと銘打たれた新たなシリーズの一角としてのリリースであったのですが、この時には同じシリーズとしてムスタングも併せてリリースされています。

FENDER ( フェンダー ) / Duo-Sonic Capri Orange
FENDER ( フェンダー ) / Duo-Sonic Capri Orange

誕生は1956年

元々、デュオソニックは1956年に学生でも買える値段のスチューデントモデルとして、同系機種のミュージックマスターに二カ月ほど遅れて発表されたギターで、22.5インチのショートスケールにスリムなボディ、アノダイズ仕上げのアルミピックガード、そしてミックスポジションでハムバッカーの効果が得られる2基のピックアップが特徴でした。(ミュージックマスターは1ピックアップモデル)
ギブソンが世界初のハムバッカーであるP.A.F.を登場させたのが1957年頃と言われていますから、デュオソニックは当時の最先端の技術を取り入れたギターだったんですね。
また、1964年に発売されたムスタングとは兄弟機種に当たり、パッと見た目にはトレモロユニットの有無くらいしか違いがないほどによく似ています。

デュオソニックIIへの進化~生産終了

1959年には仕様変更が行われ、ピックガードがプラスチック製になり、指板もメイプルからローズウッドに変更となります。
64年にムスタングが発売された際にはさらに仕様変更が行われ、ピックガードのボリューム・トーンコントロールを装着する部分は金属プレートに改められ、ヘッドはラージヘッドに、スケール長は24インチ(22フレット)と22.5インチ(21フレット)の2種類が用意され、指板もメイプルとローズウッドを選択できるようになります。
この仕様変更では、機種名もデュオソニックIIと改称しています。
しかし、結果的には売上はあまり伸びなかったようで、1969年に一旦生産終了となってしまいます。

これまでにも何度か再生産されている

1990年からはメキシコのエンセナーダ工場で再生産が行われ、この時の仕様はIとIIをミックスさせたようなものでありました。
メキシコ製デュオソニックは1997年に生産終了となりますが、2007年にフェンダー傘下のスクワイヤーから初期のデュオソニックに近い仕様のものが発売されます。(スケール長は24インチ(21フレット))
ただ、この時は2基のピックアップを並列に接続してあったため、ハムバッカーのような太い音は得られず(ハムバッカーは直列接続)、ストラトのようなハーフトーンになる仕様でした。
スクワイヤー製のデュオソニックは2012年頃に生産が終了しますが、どうやら再販の要望は根強くあったようで、ついに2016年に再登場となった訳です。

新シリーズはメキシコ製

今回のデュオソニックは90年代と同じくメキシコのエンセナーダ工場で生産され、アルダーボディに24インチスケール(22フレット)のCシェイプメイプルネックという構成になり、シングルコイル×2もしくはリア:ハムバッカー+フロント:シングルという2種類のピックアップ構成を選べるようになっています。

シングルコイルモデルの方は、ハムバッカーモデルがラインナップされていることもあり、ピックアップが並列に接続されるハーフトーン仕様。

Fender フェンダー DUO-SONIC / Arctic White
Fender フェンダー DUO-SONIC / Arctic White

指板はメイプル指板になっていますね。
さらにシングルコイルモデルは、同時期に発表されたムスタングのシングルコイルモデルと何故か極めて近い仕様で、見た目には以下の点くらいしか違いがありません。

  • 1弦側のボディのクビレ位置
  • ピックガードの色・形及び金属プレートの有無
  • コントロールノブの材質・色・形
  • ピックアップカバーの色
  • リアピックアップの角度
  • ヘッドの大きさ(デュオソニックはスモールヘッド、ムスタングはラージヘッド)
  • Fender フェンダー MUSTANG / Black
    Fender フェンダー MUSTANG / Black

    ムスタングには、ピックアップにP-90タイプを搭載したモデルも用意されているので、差別化はそちらで図っているのかも知れませんね。

    ハムバッカーモデルは、トーンコントロールをプッシュ/プルすることでコイルタップ機能を使うことが出来るようになっています。

    Fender フェンダー DUO-SONIC HS / Daphne Blue
    Fender フェンダー DUO-SONIC HS / Surf Green

    指板は、ローズウッド指板でシングルコイルモデルとは異なる仕様になっています。

    代表的なプレイヤー

    デュオソニックの代表的なプレイヤーとしては、まずリズ・フェアが挙げられるでしょう。
    (リズ・フェアはムスタングもメインギターの一つで、下のジャケット写真で抱いてるのはムスタングですけどね!(笑))

    Liz Phair

    “シカゴのオルタナティヴ・クイーン”と称される彼女ですが、近年はオルタナにとらわれずに自由な音楽性で活動を続けていますね。
    他にはジミ・ヘンドリックスがアイズレー・ブラザーズにジミー・ジェームズ名義で参加していた時に使用していたり、ジョニー・ウインターも初期の頃に使っていたことがありました。

    小ぶりなボディ&ショートスケールというサイズは、女性向きであると言え、キュートなルックスと相まって非常に可愛らしく、そしてセクシーに見えるギター。
    体格が大きな人だとミニギターのように見えるかも知れませんが、同サイズのムスタングはカート・コバーンやChar氏も使っていますから、もちろん男性が使っても全く問題ないギターです。
    実売価格としては7万円前後くらいで、初心者でも何とか手の届く範囲に抑えられていますね。

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